性風俗で性病は大丈夫？

性風俗で性病は大丈夫？

「性風俗店でサービスを受けたが、自分は性病にうつっていないか心配です」 という書き込みをよく目にします。

１．　どんな病気、性病感染するのか？

最近の性風俗店はサービスも多様化してきており、単純に 「性風俗店に行ったが性病の感染の可能性はあるか？」 と言ってもサービスの内容により何とも言えません。まずは基本的なSTD（性感染症）の感染について簡単に説明します。

STD（性感染症）は、血液・精液・膣分泌液などにウイルスや菌が存在していた場合、それが性行為によって相手の粘膜や傷口などから体内に入り、感染するというものです。汗や唾液からの感染はほとんどありません。
ただし、血液・精液・膣分泌液などが確認できなくてもウイルスや菌が多く存在する場所（性器など）が粘膜などに触れ合うだけで感染する可能性が出てくるものもあります。

STD（性感染症）の種類は様々です。
感染者が多い「クラミジア」や「淋菌」などは、精液や膣分泌液を介して感染したり、お互いの性器粘膜が触れ合うことで感染する可能性があります。フェラチオによりのどへの感染やのどから性器への感染もあります。

「尖圭コンジローマ」や「性器ヘルペス」、「梅毒」など、ブツブツなどの症状が出るものの感染は、患部が粘膜などに触れることで感染する可能性があるので注意してください。性行為を行う前に相手の性器やその周辺、肛門などに異常がないか確認することも必要です。

また、性行為で最も注意する必要がある行為はアナルセックスです。
直腸の粘膜は傷つきやすく、直腸内で射精すると精液に含まれているウイルスがその傷口から侵入しやすいので感染の可能性が高くなります。また逆の場合は、直腸の傷口から出た血液に含まれるウイルスが、ペニスの尿道の粘膜などへ感染する可能性も高くなります。「HIV（エイズウイルス）」の感染経路はアナルセックスが最も多いと考えられています。性器が触れなくても、アナルを舐めるだけで「アメーバ赤痢」や「A型肝炎」に感染することもあります。最近はアメーバ赤痢の感染者数が増えてきているので気をつけてください。

それ以外では、「B型肝炎ウイルス」は非常に感染力が高いと言われています。あらゆる性行為で感染の可能性があります。「B型肝炎ウイルス」に対してはワクチンがありますので、性風俗店で勤める方はワクチンを接種しておくのも一つの方法です。

２．　いつ性病の検査をしたらいい？

性風俗店でお勤めの方は毎月検査をしてください。一般の方よりも多くの人と接触する機会が多いので、それだけ感染する可能性も高いと考える必要があります。毎月検査することにより、もし感染していたとしても、早く見つけて早く治すことができます。ご自身の体に加え、パートナーや家族のことも考えると、定期的に検査を受けることがとても大切です。

そして、性風俗店によく行く方も、定期的に検査を受けることをお勧めします。
よくある相談に、「性風俗店へ行った後にとても不安になってきたため、どの検査をすればいいかアドバイスがほしい」 というものがあります。この場合は、感染の可能性のあった日から2〜3日たっていれば、まずはクラミジアと淋菌の検査を受けてください。フェラチオだけであっても、女性の咽頭（のど）にクラミジアや淋菌が感染していた場合は、男性のペニスへ感染する可能性があります。
時々、「まだ症状が出ていないので、検査を受けても意味が無いか？」 というお問い合わせもあります。
特にクラミジアは症状を感じにくいことが多いのですが、症状が無くても感染していれば検査結果として出ます。その時は治療が必要になります。

サービスの種類によっては、上記に加え、血液で調べる検査を受けることをおすすめいたします。
約1ヵ月後に梅毒、約2ヵ月後にB型・C型肝炎の検査、そして約3ヵ月後にHIVの検査が可能になります。病院などでの検査でも同じですが、クラミジアや淋菌はウイルスや菌そのものを調べるのですぐに検査できますが、血液検査の場合、検査の対象となる物質が体内にできるまでに少し時間がかかります。よって、上記のように感染の可能性のあった日から少し期間をあけてから検査を受ける必要があります。

３．　性風俗で性病の検査は行っているのか？

実際に性風俗店はSTD（性感染症）の検査をしているのでしょうか。その実態はさまざまです。
お店として管理をきっちり行なって従業員の検査をしているところ、従業員個人の裁量に任せて検査を推進しているところ、あるいは全くノータッチのお店もあります。
働く人もサービスを受ける人も、STD（性感染症）の感染を広げないために、衛生管理の行き届いているお店を選ぶことが大切かもしれません。

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