HIVに感染したら？不安で不安で、検査に踏み切れない・・・

HIVに感染したら？不安で不安で、検査に踏み切れない・・・

「もし感染していたら・・・その後の不安が大きすぎて検査が受けられない」と思っていませんか？

HIV検査を受けない人の話を聞いていると、「結果が陽性だった場合の不安が大きすぎて受けることができない」、という人が多くいます。「感染していたら周りの人に知られて今の生活ができなくなるのでは・・・」、「感染していてもどうせ治らないんでしょ」、など。

そういった方の不安を一掃できるように特集しました。安心するため、念のため、という感覚で検査を受けてみませんか。

感染したら周りの人に知られる？

検査を受けて、結果が陽性だった（感染している）場合でも、そのことが周りの人に知られることはありません。あなたの個人情報が漏洩することは決してありません。しかし、治療するにあたって、あなたがHIV感染症の治療を受けていることを知る立場にある人もいます。

（1） 保険証の使用　・・・　ほとんどの健康保険は会社とは「別の組織」が運営しているので、その「別の組織」にはあなたがHIV感染症の治療を受けていることが知られますが、あなたの会社の上司や同僚に知られることはありません。ただ、会社の中で保険の組織が運営されている場合は、事務処理を行なう立場の人にHIV感染症の病名が知られることになります。どうしても保険を使いたくない場合は病院でご相談ください。

（2） 治療について　・・・　病院で治療を受ける場合にはカルテを作成します。カルテにはあなたの個人情報が記載されますが、医療従事者はそれを外部へ漏洩することはありません。また、医師はあなたに感染の経路などについて質問をしてきます。これは、HIV感染症予防のため、法律に基づいて厚生労働省に届出を行なうことになっているからです。届出で報告される内容は、あなたの年齢(何歳代)、性別、感染経路だけで、あなたのお名前、住所、年齢、職業などは一切報告されません。

（3） 助成制度を受ける場合　・・・　HIV感染症の治療については医療費が高額になるため健康保険や自治体の助成制度を受けられることがあります。その場合、あなたがHIV感染症に感染しているということを関係機関に伝えることになります。そこから情報が漏洩することはありませんが、何かの案内が届いたり、問い合わせがある場合もあります。もしあなたに同居している人がいて、その人に知られたくない場合などは、申請の窓口などで対応について相談することをお勧めします。

治療費はどれくらいかかるの？

近年は、ウイルスの増殖を抑え、エイズを発症しないようにする治療が確立されつつあります。

まず、数回の血液検査により病状を詳しく調べます。初診では問診や体の診察、血液検査などが行われますが、通常の保険診療で4,000円から7,500円必要です。その時に何らかの症状に対して薬が出されたりすると、その金額が追加されます。

次の受診は2週間から1ヶ月後になります。定期的に検査を進めながら治療の開始時期を定めます。HIV感染症は長い年月をかけて進行する病気のため、すぐに治療が始まるわけではありません。

HIV感染症の治療が始まると医療費は1ヶ月あたり5〜10万円と高額になります。ただ、この病気には医療費の助成制度がありますので、実際にはそれほど大きな金額を支払うことにはなりません。

(1) 健康保険の助成制度　・・・　医療費が高額な場合に支払った医療費の一部が戻ってくる「高額療養費」という制度や「高額療養費貸付制度（委任払い制度）」などがあります。

(2) 障害者の医療助成　・・・　HIV感染症は病状に応じて、「免疫機能障害」として、障害者の認定を受けることができます。認定を受けることにより「身体障害者手帳」が交付され、「更生医療」「心身障害者医療費助成制度」などの医療費の助成を受けることができます。

(3) 所得を補償する制度　・・・　HIVに感染しても、すぐに仕事に支障が出るわけではありませんが、病状により働けなくなった場合などは、「傷病手当金」「障害年金」「生活保護制度」等の制度もあります。

※上記�@〜�Bの制度は保険証の発行機関や自治体により異なります。

不安なままでいるよりも、安心するため、念のため、という感覚で検査を受けることをお勧めします。もし陽性の（感染している）場合でも、早期発見で治療を行えば、慢性疾患と同じように生活を続けることができると考えられてきています。

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